私は主に日本の児童雑誌にゲームを題材とした漫画を描く漫画家です。 自分がアニメやゲームが好きな事がこの仕事に繋がったと考えています。 任天堂以外ではカプコンのロックマンシリーズ、ロックマン8とロックマン&フォルテが代表作です。
漫画を描くキッカケはやはり絵を描くのが好きだった事です。やりたいけど無理だろうな。ではなく、一度は挑戦しなきゃダメだと思ったからです。
ゲームなどのコミカライズ作品を描く場合、出版社(講談社)が権利等の2次使用の許可契約を権利元(任天堂)と交わしますが、その後にそれを誰に描かせるか検討されます。自分は当時アクションと元気な子供を描ける作家と評価されていた為に、複数の候補者から自分が出版社、任天堂の両者に選ばれたのだと思います。
最初はハードな世界観を持つメトロイドに少年を登場させるオリジナルの物語に任天堂側は強い拒否反応を示しました。
ハードな世界観が崩れると考えたのでしょう。
ですが、私自身は子供にサムスアランの勇姿を通じて、強い正義と覚悟を持った大人の背中を見せたいと思っていたので私の物語に子供を登場させる事は絶対に外せないと引き下がりませんでした。その為に任天堂のある京都の任天堂本社まで出掛けて担当者や坂本プロデューサーと直接交渉をしました。それでついにメトロイドの世界観に少年を登場させる外伝として『メトロイド サムス&ジョイ』は誕生する事が出来たのです。
石川堅士さん作画の漫画『メトロイド』は自分と同じ時期に同じ講談社内でスタートした企画ですから、歩調を合わせる意味もあり、サムスの両親は彼の作画を意識して描いた記憶があります。
私の描いた『サムス&ジョイ』は本家の世界観や設定を壊さぬ範囲でオリジナルに話を進めましたが、それについて坂本プロデューサーから助言等は無かったと思います。
ただ、作画前に任天堂のシナリオチェックや変更指示はあった筈ですが、基本的には自由にやらせてもらいました。
自分の描いた『メトロイド サムス&ジョイ』でお気に入りの場面ですが、サムスが弾丸を掴み取る第1話のシーンも気に入っていますが、『EX』でスターシップがクラフト族にバラバラにされて途方にくれている後ろ姿がかなりのお気に入りです。
メトロイドEXが単行本化されなかった本当の理由は私にも分かりません。
講談社と任天堂の間での契約内容は漫画家個人には知る由も無いと言うところです。ただ、これは私にとっては本当に悔しい事で、いつの日かメトロイドEXを単行本として多くの方に見てもらいたい!それが出月の悲願です。現時点では、メトロイドEXの復刊について任天堂から許可が下りないので、何がメトロイドの新たな気運の高まりがあれば復刊の道も開けるのかもしれないと期待しております。(メトロイドの実写映画化とか)
そして、作品はゲーム『スーパーメトロイド』と『メトロイドフュージョン』の間を作品の設定として描きました。
メトロイドのサムス、リドリーなどの主要キャラクター以外はなるべく出さない様に構成しました。理由は任天堂のチェックが複雑になる為です。
メトロイドEXの単行本が発行されるのは出月の夢です。復刊ドットコムという会社に今一度世に出したい本のリクエストが一定数集まると(約200〜300)メトロイドEXの単行本が世に出る可能性があります。 その為にファンの皆様にも呼びかけて協力を仰いだのです。(現在170票を超えるところまで来ました、後1歩です)
サムスの休日。女性らいし一瞬の日常を送るものの、何故かトラブルに巻き込まれるサムスを描いてみたい。
任天堂によるメトロイドの新たなる試みは私も楽しみにしているところですが、プロジェクトがあるのか無いのか、私にも情報は来ていないので分かりませんが、ハリウッドで実写映画化でもされると嬉しいですね。
メトロイドフュージョンの漫画を描いた経緯は勿論当時発売された『メトロイドフュージョン』のゲームの販売を盛り上げる為であり、漫画を読んでくれている読者へのサービスの思いもあって執筆しました。読み切りの企画でしたが、長いストーリー物としても描いて見たかったですね。
メトロイドEXの最後以降、サムスの運命は?
勿論、最強のバウンティハンターとして邪悪の脅威から銀河を守り続けていますよ( ^ω^ )
フュージョンに繋がる訳ですし。
メトロイドのシリーズについては全てを把握してはいません。メトロイドプライム以降はどの様な設定なのがも分からないです。一番の理由は、ゲームを遊ぶハードを私が持っていなかったから。
メトロイドに関して、作家として好奇心を掻き立ててくれる対象ではあると思っています。メトロイドEXでは続編を描く予定がある訳ではないのですが、その後のサムスやジョイは?など妄想は膨らみますね。
サムス&ジョイEXです。オリジナルではないものの、かなり自由に物語や設定を作った上で満足できる形にまとめあげられた事にとても満足しています。ただ一つ単行本として世に出せていない点を除けば。
現在は障害者をサポートする仕事をしています。そこで得た経験から一つの物語を書けないかと模索しているところです。
このインタビュー記事を読んでくれている皆さんにまず御礼を申し上げます。メトロイドというコンテンツはかなりクールでハードな世界が魅力なのですが、私の作品は強いヒーローがその行動を通じて若い世代に何かを伝え、若者はそれを追い成長する。それに主眼を置いたメトロイドの外伝としての作品です。 過去に読んでくれた方や今後何かしらの機会で読む機会がある方にとって誰かのバトンをまた誰かに繋ぐ事こそに生きる意味があると感じてもらえたら幸いです。 どうもありがとうございました。( ^ω^ ) ⭐︎ 出月こーじ ⭐︎